期待を裏切りつづけた諸君へ(チーム齊藤の軌跡)
2019/03/01
3月1日(金)守山高校では、他校と同じように卒業式が行われました。
ラグビー部においても、キャプテン齊藤をはじめ7名が卒業を無事迎えることができました。
チーム齊藤は、2015年ラグビーワールドカップで日本が奇跡を起こした次の年に入部した生徒たちです。当初は、MGを含め13名からスタートしました。経験者4名、100kgを超えた生徒、フィジカルの強い選手。未来を感じられる生徒たちが集まりました。これまでのラグビー部は、15名集めるのがやっとのチームでした。やんちゃな生徒も多く、ラグビーを教えるよりも、悪いことをさせないようにする部活でした。そんな中で入ってきた齊藤たちは、ようやく本格的にラグビーを教えることのできる学年でした。人数も多く、ラグビーに真摯に取り組む集団。先輩のために自己犠牲のできるやつら。これは、県大会を目指せる学年だと思いました。1年の時は、こいつらが勝負の代、そう思っていました。しかし、学年が上がるにつれて、生徒たちの態度は変わっていきました。天狗になっていった生徒。不真面目に取り組む生徒。後輩をいじめる生徒。自分たちの代だけを大切にして、先輩・後輩をないがしろにした生徒。練習中に顧問に突っかかったことも少なくありませんでした。熱く不器用な奴らばかりだったので、生徒同士でぶつかり合いもしました。「オレは、ただ強くなりたいだけだ。さぼっとるヤツは辞めろ。」「お前ら、勝ちたいんだったらちゃんとやれ!ちゃんとやれんヤツは足手まといだ」「こっちは命賭けてラグビーやってんだ。適当にやってんなら、邪魔だからやめてくれ」そんなことを平気で部員に向けて言う生徒。何度も何度も話をしていきました。「ラグビーは15人のスポーツ。15人集めないと試合が出来ない。下級生はまだ発展途上だから、少しはあいつらにあわせないと。試合が出来なかったら意味がないでしょ?」しかし、「なにが悪いんだ。オレはちゃんとやってる。オレは間違ってない。あいつらにあわせるくらいならオレが辞める」と。私が何度も何度も勧誘してようやくの思いで引っ張ってきた部員を簡単に「辞めろ」という。ついに部員は15人を切る事態に。そんな状況にも我関せずのその代。誰もそいつを抑えることはできませんでした。こうして、チームの雰囲気は最悪に。チーム齊藤になり、傍若無人に拍車がかかります。県大会をめざしスタートしたものの雰囲気が悪く、練習も集中できませんでした。練習をすれば、スイッチが入り練習が中断してしまう。すると、徐々に勝つこともできなくなっていきました。私は、「あ~結局守高生か~我慢ができない。期待してもどうせこうなる。また期待を裏切られた。」そう思いました。県大会なんて、夢のまた夢だ。と。4月になり1年生が入り、再び15人で戦うことができるようになりました。それでも3年生はかわりません。ついに、私は傍若無人の生徒を辞めさせようとまで思ったこともありました。そんな中、必死でがんばっていたのはFWの3年生たちでした。ラグビーあるあるですが、バックスから攻撃されまくるFW。ミスをするとバックスに怒られる。キックオフやラインアウトなど。それでも必死に練習をしてミスを減らそうとがんばったり、モールを何度も練習したり、バックスに怒られた後輩のメンバーに声をかけたり。徐々にFWはまとまっていきました。モールが使えるようになり自信がつくと、スクラム・ラインアウトとセットプレーが安定してきました。ミスも減り、バックスにも劣らないほどの強さ(技術・メンタル)を備えれるようになりました。にもかかわらず、雰囲気が悪い。事件は花園予選2回戦前。1年の主力たちが突然、私のところにやってきました。「先生。おれら辞めるわ。」どうしたかと聞くと「先輩が厳しすぎる。ちょっとしたミスだけでキレてくる。メンタルが持ちません。」私は「あ~またか。何度も何度も後輩を大事にしろと言ってきたのに、、、」しかし、花園予選のまっただ中。私は、3年生を呼んで話をしました。何度も何度も話したことをまた話しました。「15人でラグビーができることがどれだけありがたいことか。自分を除いた14人を受け入れないとラグビーなんてできないよ。自分たちだけじゃなく、後輩を大事にしないと。」と。心の中では、「どうせ、守高生だから理解できんだろう。」と半分諦めていました。しかし、最後の最後で生徒たちは動きました。一番わがままだった生徒が後輩を呼び、「ごめん。今までオレが悪かった。自分が厳しくやらなチームは勝てないと思っていた。でも、お前らがいないとグラウンドに立つことすらできない。だから、最後に力を貸してくれ」と後輩に謝罪しました。また、グラウンド整備を後輩にやらせず、3年生でやるようになりました。こんなことができる奴らなんだ。ある意味期待を裏切られました。そして、花園予選3回戦。ベスト16を賭けた試合。今まで守高生にいろいろ裏切られ続けた私。正直、心の中では「勝てないだろう」と思っていました。まあ良くやった方だな、と。そんな中、始まった試合。前半、2トライをとり10-0。私の中では、まだ「勝てない」と思っていました。後半開始そうそう、1トライを返され10-5。ああ、いつもの負けパターンかと頭をよぎりました。相手チームの猛攻は続きます。中央付近にトライされたら逆転される。相手のスローフォワードで助かるも、未だ自陣5m。そこから、3年生の奮起が。後輩に謝罪した選手を中心に3年生は必死に戦う。自陣5mからいっきに攻め、ハーフまで陣地を回復。後輩のミスに対して、3年生からは「ドンマイ!ドンマイ!スクラムで返す。」との声。その言葉通り、スクラムでマイボールにして、攻撃。攻撃力抜群のバックス陣が相手を突き放すトライ。その後も、必死で走るFW。見事、勝利を手にしました。まさか、こいつらが。最後の最後に最高にうれしい裏切りでした。私の中では、「守高史上最大の裏切り」だと思っています。愛知県ベスト16。
そして、最後の名古屋高校戦。3年生の顔には涙が、、、これも裏切られましたね。(泣くなんて思いませんでした)
こうして、いろいろ書いてきましたが、気がつけばラグビーの話を書いていますね。
卒業記念で、ラグビーの話を書くことができる日がくるなんて
最後まで期待を裏切ってくれたチーム齊藤。
卒業、おめでとう!!そして、ベスト16をありがとう!!
ラグビー部においても、キャプテン齊藤をはじめ7名が卒業を無事迎えることができました。
チーム齊藤は、2015年ラグビーワールドカップで日本が奇跡を起こした次の年に入部した生徒たちです。当初は、MGを含め13名からスタートしました。経験者4名、100kgを超えた生徒、フィジカルの強い選手。未来を感じられる生徒たちが集まりました。これまでのラグビー部は、15名集めるのがやっとのチームでした。やんちゃな生徒も多く、ラグビーを教えるよりも、悪いことをさせないようにする部活でした。そんな中で入ってきた齊藤たちは、ようやく本格的にラグビーを教えることのできる学年でした。人数も多く、ラグビーに真摯に取り組む集団。先輩のために自己犠牲のできるやつら。これは、県大会を目指せる学年だと思いました。1年の時は、こいつらが勝負の代、そう思っていました。しかし、学年が上がるにつれて、生徒たちの態度は変わっていきました。天狗になっていった生徒。不真面目に取り組む生徒。後輩をいじめる生徒。自分たちの代だけを大切にして、先輩・後輩をないがしろにした生徒。練習中に顧問に突っかかったことも少なくありませんでした。熱く不器用な奴らばかりだったので、生徒同士でぶつかり合いもしました。「オレは、ただ強くなりたいだけだ。さぼっとるヤツは辞めろ。」「お前ら、勝ちたいんだったらちゃんとやれ!ちゃんとやれんヤツは足手まといだ」「こっちは命賭けてラグビーやってんだ。適当にやってんなら、邪魔だからやめてくれ」そんなことを平気で部員に向けて言う生徒。何度も何度も話をしていきました。「ラグビーは15人のスポーツ。15人集めないと試合が出来ない。下級生はまだ発展途上だから、少しはあいつらにあわせないと。試合が出来なかったら意味がないでしょ?」しかし、「なにが悪いんだ。オレはちゃんとやってる。オレは間違ってない。あいつらにあわせるくらいならオレが辞める」と。私が何度も何度も勧誘してようやくの思いで引っ張ってきた部員を簡単に「辞めろ」という。ついに部員は15人を切る事態に。そんな状況にも我関せずのその代。誰もそいつを抑えることはできませんでした。こうして、チームの雰囲気は最悪に。チーム齊藤になり、傍若無人に拍車がかかります。県大会をめざしスタートしたものの雰囲気が悪く、練習も集中できませんでした。練習をすれば、スイッチが入り練習が中断してしまう。すると、徐々に勝つこともできなくなっていきました。私は、「あ~結局守高生か~我慢ができない。期待してもどうせこうなる。また期待を裏切られた。」そう思いました。県大会なんて、夢のまた夢だ。と。4月になり1年生が入り、再び15人で戦うことができるようになりました。それでも3年生はかわりません。ついに、私は傍若無人の生徒を辞めさせようとまで思ったこともありました。そんな中、必死でがんばっていたのはFWの3年生たちでした。ラグビーあるあるですが、バックスから攻撃されまくるFW。ミスをするとバックスに怒られる。キックオフやラインアウトなど。それでも必死に練習をしてミスを減らそうとがんばったり、モールを何度も練習したり、バックスに怒られた後輩のメンバーに声をかけたり。徐々にFWはまとまっていきました。モールが使えるようになり自信がつくと、スクラム・ラインアウトとセットプレーが安定してきました。ミスも減り、バックスにも劣らないほどの強さ(技術・メンタル)を備えれるようになりました。にもかかわらず、雰囲気が悪い。事件は花園予選2回戦前。1年の主力たちが突然、私のところにやってきました。「先生。おれら辞めるわ。」どうしたかと聞くと「先輩が厳しすぎる。ちょっとしたミスだけでキレてくる。メンタルが持ちません。」私は「あ~またか。何度も何度も後輩を大事にしろと言ってきたのに、、、」しかし、花園予選のまっただ中。私は、3年生を呼んで話をしました。何度も何度も話したことをまた話しました。「15人でラグビーができることがどれだけありがたいことか。自分を除いた14人を受け入れないとラグビーなんてできないよ。自分たちだけじゃなく、後輩を大事にしないと。」と。心の中では、「どうせ、守高生だから理解できんだろう。」と半分諦めていました。しかし、最後の最後で生徒たちは動きました。一番わがままだった生徒が後輩を呼び、「ごめん。今までオレが悪かった。自分が厳しくやらなチームは勝てないと思っていた。でも、お前らがいないとグラウンドに立つことすらできない。だから、最後に力を貸してくれ」と後輩に謝罪しました。また、グラウンド整備を後輩にやらせず、3年生でやるようになりました。こんなことができる奴らなんだ。ある意味期待を裏切られました。そして、花園予選3回戦。ベスト16を賭けた試合。今まで守高生にいろいろ裏切られ続けた私。正直、心の中では「勝てないだろう」と思っていました。まあ良くやった方だな、と。そんな中、始まった試合。前半、2トライをとり10-0。私の中では、まだ「勝てない」と思っていました。後半開始そうそう、1トライを返され10-5。ああ、いつもの負けパターンかと頭をよぎりました。相手チームの猛攻は続きます。中央付近にトライされたら逆転される。相手のスローフォワードで助かるも、未だ自陣5m。そこから、3年生の奮起が。後輩に謝罪した選手を中心に3年生は必死に戦う。自陣5mからいっきに攻め、ハーフまで陣地を回復。後輩のミスに対して、3年生からは「ドンマイ!ドンマイ!スクラムで返す。」との声。その言葉通り、スクラムでマイボールにして、攻撃。攻撃力抜群のバックス陣が相手を突き放すトライ。その後も、必死で走るFW。見事、勝利を手にしました。まさか、こいつらが。最後の最後に最高にうれしい裏切りでした。私の中では、「守高史上最大の裏切り」だと思っています。愛知県ベスト16。
そして、最後の名古屋高校戦。3年生の顔には涙が、、、これも裏切られましたね。(泣くなんて思いませんでした)
こうして、いろいろ書いてきましたが、気がつけばラグビーの話を書いていますね。
卒業記念で、ラグビーの話を書くことができる日がくるなんて
最後まで期待を裏切ってくれたチーム齊藤。
卒業、おめでとう!!そして、ベスト16をありがとう!!
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